フォーカル・ポイント McCoy Tyner |
この作品は、1970年代マッコイ・タイナーの音楽に欠かせないソプラノ・サックス、フルート、コンガなどを前面に立て繰り広げていく。60年代のブルーノート時代から共演しているゲイリー・バーツをはじめ、後にレギュラー・メンバーとなるジョー・フォードなどのソプラノ・サックスやフルートをプレイするメンバーが参加しているスピリチュアル・ジャズの傑作。他のマイルストーン作品に比べて全体的にまとまった作品。又全曲マッコイのオリジナル曲である。 1曲目〈メ・トロワ・フィス〉は、コンガを含むリズム・セクションをバックに、3管ホーンがマッコイ風のテーマを奏でる。マッコイのメリハリに利いたエネルギッシュなプレイ、続くテナー・サックスのロン・ブリッジウォーターがのびのびと吹きまくり、エリック・グラヴァットの豪快に冴えわたるドラム、この後、コンガのギレルミ・フランコは、軽快なリズムに乗った素晴らしい演奏を繰り広げていきます。そして、3管ホーンのテーマへ戻っていく。 2曲目〈パロディ〉は、マッコイとドラムスのグラヴァットとのデュオ。マッコイの高速ピアノなどで始まり、この後ドラムが入り、リズミックに展開していき、マッコイの強力無比なピアノと、グラヴァットの強烈な叩きまくりで2人だけの演奏とは思えないスリリングな迫力あるサウンドを聴かせている。 youtube.com/watch?v=qeFxyFwC3lo 3曲目〈インド・セレナーデ〉は、マッコイ音楽のカラーがよく表れている曲。テーマはマッコイのピアノから、フォードのフルートに、バーツはここでは珍しくクラリネットを、ブリッジウォーターのテナー・サックスなどが奏でる。流麗なフルートのソロ、柔らかなソプラノ・サックスと続き、そしてマッコイがテンポよく、疾走感溢れるプレイを繰り広げる。又コンガが終始鳴り響かせ、マッコイ・サウンドを支えている。 4曲目の〈モード・フォー・ダルシマー〉は、マッコイのダルシマー演奏のイントロで始まり、(ダルシマーは打弦楽器で、金属製の弦を、ばちで打って演奏する。)3管ホーンが入ってテーマを奏でる。コンガをバックに、マッコイのダルシマー・ソロ。ソプラノ・サックスとアルト・サックスのソロが続き、再びマッコイの切れ味鋭いピアノ・ソロ。そして、ダルシマーの演奏からテーマに戻る。 youtube.com/watch?v=bndsb7rU6m0 5曲目〈ディパーチャー〉は、伸び伸びとした明るいテーマ。ソロ・パートは、かすれ気味で魅力あるソプラノ・サックス、マッコイのピアノは速弾きで格調高い演奏を繰り広げ、流動感溢れるテナー・サックス、チャールズ・ファンブロウの堅実なベースと続きます。 youtube.com/watch?v=lM3Dh1FRzwg 6曲目〈ナナのテーマ〉は、ラストを飾るに相応しい曲。ピアノ・トリオをバックに、フォードのフルートによる哀愁のメロディーを切々と歌い上げていく素晴らしい演奏です。最初のテーマで曲の半分近くまで来ています。ということでソロはマッコイだけになります。心地よくムードたっぷりに盛り上げていき、そしてフォードの演奏に戻ります。 youtube.com/watch?v=M_jxzBclpTk フォーカル・ポイントの商品詳細ページへ |
![]() Recorded. August 4 - 7, 1976. Milestone. McCoy Tyner piano and dulcimer Gary Bartz clarinet and sopranino soprano and alto saxes Joe Ford flutes and soprano and alto saxes Ron Bridgewater soprano and tenor saxes Charles Fambrough bass Eric Kamau Gravatt drums Guilherme Franco conga and drums and percussion 1. Mes Trois Fils 7:56 2. Parody 6:55 3. Indo-Serenade 5:35 4. Mode for Dulcimer 8:59 5. Departure 5:58 6. Theme for Nana 5:14 |